奥間 勝也

映像作家

1984年沖縄県生まれ。

ドキュメンタリー映画『骨を掘る男』

2024年公開、監督・撮影・編集:奥間勝也

沖縄戦の戦没者の遺骨を40年以上にわたり収集し続けてきた具志堅隆松。これまでに、およそ400柱を探し出した。彼は自らを“ガマフヤー”と呼ぶ。ガマは沖縄の自然壕、フヤーとは掘る人という意味だ。砕けて散乱した小さな骨、茶碗のひとかけら、手榴弾の破片、火炎放射の跡…。拾い集めた断片から、兵隊か民間人か、どのような最期をとげたか推察し、想いを馳せ、弔う。掘ってみるまで、そこに本当に骨が埋まっているかどうかはわからない——それでも掘りつづける行為を具志堅は、観念的な慰霊ではなく「行動的慰霊」だと言う。
沖縄本島には激戦地だった南部を中心に、今も3000柱近くの遺骨が眠っているとされる。沖縄の人びとや旧日本軍兵士のものだけではない。米軍兵士、朝鮮半島や台湾出身者たちの骨を含んだ島の土砂が辺野古新基地のための埋め立て工事に使われようとしている。

映画『骨を掘る男』公式サイトより

遺骨収集をつづける具志堅さん

具志堅さんがなぜ40年も遺骨収集を続けるか知りたかったのが、映画製作の動機のひとつだった。
具志堅さんは熟考した後、「やめたいと思ったことがないから」と言った。

観念的慰霊ではなく行動的慰霊

遺骨収集が行われるのは、「ガマ」と呼ばれる自然洞窟と、それ以外の森や岩場など。
ガマはこれまでも遺骨収集が比較的なされてきた場所なので、具志堅さんはそれ以外の場所で遺骨収集をすることが多い。

鉄の暴風雨と言われるほど砲弾が降り注いだ沖縄県南部では、1m掘れば戦争にかかわる何かが出てくるという。

集団自決ではなく「強制集団死」

「集団自決があった」というと、住民が能動的に死を選んだような印象を与える。
だが具志堅さんは、戦前から準備されていた教育が、極限状態での選択を限定させたのではないか、つまり自死を選ばされたのではないか、と考えている。
沖縄戦の研究者は、集団自決ではなく「強制集団死」と表現しており、沖縄のメディアもこの表現を併記している。

戦没者の遺骨を含んだ土砂が、基地の埋め立て工事に使われる

辺野古新基地建設をめぐる計画の変更により、戦没者の遺骨が多く埋まっているとされる土砂が基地の埋め立てに使われる可能性が出てきた。

沖縄にも遺骨収集にも直接かかわりのない私ですら、そのグロテスクさに二の句が継げない。具志堅さんをはじめ、遺骨収集に関わる人たちの怒りはどれほどのものだろうか。